『どんな街に住んでいますか?』

文章/佐藤朋子
  日、住んでいるマンションの更新手続きをしました。そう、このメルマガで「お引っ越しダイアリー」なんて連載もしましたが、あれからもう2年経ったのですね。更新を機に、住む場所というものについてちょっと考えました。
 皆さんは家族と暮らしているのでしょうか? それとも一人暮らし? 今住んでいる街は好きですか?

 私は、母の実家の東京の下町で生まれ育ちました。父親の実家は、新宿のど真ん中。幼い頃の遊び場はデパートや高層ビルの中という環境だったせいか、ネオンやごちゃごちゃした街並みや人混みという景色も、私にとってはどこかほっとするものです。たとえば、ちょっとした小旅行ドライブで海や湖や山を満喫して帰ってくるとき、視界から緑が消えて灰色のビルディングがにょきにょき建っているのが目立つようになってくるのを見ると、懐かしい気持ちになって安心します。
「あぁ、私の場所に帰ってきた」と思うんです。
 そういうのって人それぞれなんでしょうね。

 引っ越す前は、渋谷に住んでいました。
 と言っても、センター街のど真ん中や、公園通り沿いや駅周辺に住んでいたわけじゃありません。あんなにごちゃごちゃしていて人もクルマも多い所にいたら、いくら都心好きの私でもノイローゼになってしまったでしょう。
 繁華街から近すぎず、遠すぎない所。駅前の喧騒から少しずつ遠ざかって、でも歩ける場所にあって、夜はしんとしている、そんな場所でした。けっしてお洒落なマンションではなく、築10年近い物件で、狭いワンルーム。
「東京の夜景を一望できるペントハウス」とか「外壁や内装もお洒落なデザイナーズマンション」でなくてもいいのです。

 住む場所に何を求めますか?
 家は、仕事に疲れてただ寝に帰るだけの場所ではないですよね。便利ならいいというわけでもなく。私の場合、ちょっと寄って行きたくなるような可愛いカフェやブティック、歩いて楽しめる散歩コースが近くにあったりすると、「普段の私」がもっと楽しくなります。また、コンビニやディスカウントショップよりも、本屋さんが近くにあるほうが嬉しかったりします。
 カントリーライフがもてはやされる昨今だけど、自分らしくいられる場所ならば、それが都心でも下町でも田舎でもどこでもいいのでしょう。
 朝起きたときから、夜眠るまで気持ち良く過ごしたい。それには、住む場所から考えたいものです。
 ……と、このようなことを書きながら、無性に部屋の模様替えをしたくなりました。
 皆さん、もうすぐ春です!
▼CosmosLab TOP
Photograph (c) Marimi HORIMOTO All Rights Reserved.
Copyright 2000-2003 Headrok Inc.