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文/堀本真理美

【YAZOO / Only You】
YAZOO (収録アルバム:The Best of Yazoo )(c)1999 MUTE

 先日都内某所の Starbucks Coffee に入ると、いつもどの店鋪でも混んでいるこのコーヒーショップが、平日の午後だったせいかずいぶん空いていました。カウンター席でコーヒーを飲んでいると、なんだか聞き覚えのあるメロディが聴こえて耳を澄ますと Depeche Mode でした。そのあとも Elvis Costelo、Police など80's世代のUKロックファンには嬉しい曲が続き、わたしはふと YAZOO のこの曲を思い出したのです。
 ヤズーは、Depeche Mode 結成時のメンバーでありソングライターでもあったヴィンス・クラークと、ソウルフルな声が魅力のヴォーカリスト、アリソン・モイエが1982年に結成したユニットです(って……うわっ、もう20年もな経つんですねぇ)。バンド自身はそう長く続かず、現在ヴィンスはERASURE、アリソンはソロ活動をしています。
 この曲はおセンチな失恋の歌ですが、温もりの残るセンセザイザーのサウンドとアリソンの落ち着いたボーカルが心地良く、お気に入りです。オリジナルは '82年にリリースされましたが、その後何人かのアーティストにカバーされたりドラマの挿入歌などとしても耳にすることがあったのでご存知の方もいるでしょう。1999, 2000年に発売されたベストアルバムに収録されています。
 さて、あなたには別れてしまっても「思い出す人」がいますか? 例えば、三角関係になったときになりふり構わず彼/彼女を取り返して後味を悪くするより「それであなたが幸せなら」とサッと身を引いた方が、彼/彼女たちのその後の人生において美しい想い出として心に残る、という話をときどき耳にします。
 美しい話と言えなくもないけれど、恋するために生きているような情熱的な人には到底納得の行かないことかもしれません。こんな時に作詩や作曲の才能があったらどんなに素晴らしいことかと思います。葬り去られた恋も美しい想い出も、歌になればどちらも新しい命を得て生き続けることができるから。
(以下、歌詞抜粋)

Looking from a window above, it's like a story of love
(上のほうの窓から見ていると、愛の物語みたいだ)
Can you hear me
(聞こえるかい?)
Came back only yesterday
(ほんの昨日のことが)
I'm moving further away
(どんどん遠ざかっていく)
Want you near me
(君に僕のそばにいて欲しいのに)

All I needed was the love you gave,
(僕に必要だったのは君の愛)
All I needed for another day
(僕に必要だったのはもう一日)
And all I ever knew
(僕が分かっていたのは)
Only you
(君だけ)

Sometimes when I think of her name, when it's only a game
(ときどき彼女の名前を想うけど、それはただのゲーム)
and I need you
(僕には君が必要なんだ)
Listen to the words that you say
(君の言うことを聞くと)
It's getting harder to stay, when I see you
(君に会うと、ここに居るのが苦しくなるよ)

 above という前置詞は、辞書の訳では「上に」となっていると思いますが、“空間的な”上を表わしています。対して、on は“接触している状態”の上を表わしています。手紙などで形容詞として「Send me to the above address(上記の住所まで送って下さい)」といった使い方もあります。
 Want you near me は、分かりやすく表記すると「I want you to be near me」と書けます。near は、「〜の近くに/接近して」というような前置詞、形容詞ですが、ly がついた副詞になると「ほとんど/危うく/もう少しで」と少し違う意味合いになることがあるので覚えておいてね、「I nearly ran over a pigeon(危うく鳩をひきそうになったよ)」のように。
 think of〜というのはとても日常的な表現ですが、わたしたちはそれほど使っていないかもしれませんね。そこでちょっと熟れた例文を。「I can't think of anything but him/her !(彼/彼女のこと以外考えられない!)」なんていうのはどう? but 以下の単語を入れ替えたり、動詞+ing で「○○すること」を表わすことができますよ。
 また、手紙の最後に thinking of you と書くのは文字どおり「あなたのことを考えています」という意味だけど、とてもスウィートで親愛の情に溢れた印象を与えるので、機会があったら使ってみてね!

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