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文/堀本真理美

【JEWEL / Jupiter】
JEWEL (収録アルバム:Spirit)(c)1998 Atlantic Records

 ジュエル――1995年のデビューアルバムがプラチナタイトルを獲得し、FMから流れて来た歌声がずっと気になってはいたものの、わたしは彼女のCDを買うこともなくライヴを見る機会もありませんでした。しかし今年の三月、ようやくその機会はやってきたのです。
 まともに曲を聴くのもライヴを見るのもまったくの初めてだというのに、わたしは 彼女の歌に引き込まれずにはいられませんでした。そしてまた、訳もなく溢れる涙を 抑えることができませんでした(コンサートで泣いた事なんてなかったのに!)。
 とにかく彼女の声は素晴らしい。すっかり使い古された言葉だけれど、その時のわ たしにとってはまさに「癒し」であったのかもしれません。優しく女性らしさが際立 つときもあれば、逞しく頼りがいがあり、そうかと思えば妖しい色香を匂わせること もあります。「宝石」という名に相応しい様々な輝きを持った女性なのです。
 ギターを抱えた彼女の手元には、おそらく恋人にもらったであろうダイヤらしき大 粒の素敵なリングが輝いていましたが、彼女からは、宝石のようにキラキラと幸せの オーラが放たれているようでした。
 そんなわけで、今回は詩的かつ情熱的なラヴソングを紹介したいと思います。
 わたしはときどき、この地球上のあらゆる“二人”における「彼が彼女を選んだ理 由」は? と、漠然と想いを馳せることがあります(まぁ、「私が彼を選んだ理由」 でもいいのですが……)。良くも悪くも「縁」というのはつくづく興味深いものだな ぁ、と感じる今日この頃です。
(以下、歌詞抜粋)

My hands are two travelers
(私の手は二人の旅人)
They've crossed oceans and lands
(彼らは海を渡り陸を越える)
But they are too small
(けれど、二人は小さすぎるわ)
On the continent of your skin
(あなたの肌という大陸の上では)
And wandering, wandering
(そして、さまようの)
I could spend my life traveling the length of your body each night
(私は生涯、あなたの身体を毎晩旅して暮らすことだってできるわ)

Oh-oh, oh-oh, Jupiter
(ねぇ、ジュピター)
Oh-oh, oh-oh, be still my little heart
(これからも私の小さな心でいて)
Oh-oh, oh-oh, love is a flame, neither timid nor tame
(愛は炎のように、臆病でもないし従順でもないのよ)

 Jupiter とは「木星」のこと。木星は太陽系の中でも大きな惑星で引力が強い。そ のためか、占星術の世界では幸運をもたらすと考えられているようです。
 この歌詞の単語はごく詩的に理解されるべきだと思うので、今回は実用解説はそれ ほど多くないかな。
 cross(渡る/越境する/交差する)は、名詞でもありますがここでは動詞として使 われていますね。cross には「バツ印をつける」なんて意味もあり、文頭に□(しか く)のついた設問に「cross the box」と書いてあったら、該当項目の□にバツ印を つけるのです。日本だと丸印をつけさせることが多いけど、欧米では「×」「レ」印 をつけるのが一般的です。
 each night の each は「各々/毎回」という意味。each time(〜する度に)、 each other(お互いに)などがありますね。
 love is a flame, neither timid nor tame という一文にある、neither A nor B(AでもなくBでもない)というのは、おそらく高校くらいで習った表現ではないでしょうか。同様の表現で either A nor B(AまたはBのどちらか)があります。
 オーロラが見られるアラスカで育ったジュエルが、星や空に関心を持って歌の題材 にするのはもっともなこと。それに、すごーくロマンティックなことですよね!

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