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ロックスピリットの継承 〜僕は僕であり続ける〜


高見沢俊彦ソロライブレポート
photo 文章=石野みどり midori@imhere.tv
静岡県生まれ。デジタル・エッセイスト。臨床心理カウンセラー、臨床催眠心理士。 WebMagazineでデジタルと心の癒しをテーマにしたエッセイを執筆、紙媒体は Macintosh・Internet専門誌にて活躍中。MacとRockをこよなく愛する。
高校1年生のときにアルフィーの音楽に出逢い、Rockに目覚める。アルフィー歴は 20年(!)。著書に『だってポストペットがすきなんだもん。』(企画室ゆう刊)。
 赤坂ブリッツの会場に入ると、BGMにはピンクフロイドの『SHINE ON YOU CRAZY DIAMOND』、『ANOTHER BRICK IN THE WALL』、『MONEY』といった幻想的なナンバーが流れていた。今回のライブは、高見沢がTBSラジオでDJをしている『ロックばん』のスペシャルイベントで、その名も『私立高見沢高校春期講習〜大音量ロック美学における形而上学的日常弱音撃退論〜』というタイトルを銘打つ、12年ぶりのソロライブだ。
 そのやたらと長いタイトルの感じからして、ひょっとしてやや陶酔と瞑想感が入り交じったプログレッシブライブになるのか、と一瞬思った。ラジオ番組の中に“私立高見沢高校”という人気コーナーがあり、今回の主旨は「高見沢校長が影響を受けた70年代のロックをオーディエンスに春期講習する」のだと聞いていたからだ。しかし、彼にとって初のオールスタンディング・ライブだというからには、それはないよな、とわたしは思い直し“日常弱音撃退”ロックに期待した。そう、キラキラと輝くロックンロールを。
 照明が落ち、白い煙りとライトがステージを包む。眩しくて思わず目を閉じると、目を開けた瞬間にはド派手なファッションに身を包んだ高見沢がセンターでギターをかき鳴らしていた。
 フワフワの黒い羽根が着いた洋服に、ギラギラ輝く青いラメのパンツ。背丈の高い帽子に際立つ白く大きな羽根。ロングブーツに少しズラしたサングラス。  華やかにキメた華麗なグラムロックのファッションに、彼が未だにこだわり続けているロックの美学を感じる。登場してギターをかき鳴らすわずか数秒のうちに、オーディエンスを異次元空間へと誘うインパクト。その衝撃こそが彼にとってのロックンロールなのだろう。
 オープニングのグラムロックなギターサウンドが終わると、耳慣れた名曲のリフが飛び込んできた。T-REXの『GET IT ON(BANG AGONE)』だ。ささやくような、ややかったるいように唄うその姿は、アルフィーのそれとは違うワルぶった印象を受ける。アルフィーの他の2人と出逢う前、高校時代の彼は相当な不良少年だったと雑誌やラジオで聞いてはいたが、その面影を色濃く感じる。そもそも、70年代という時代に高校生がエレキギターを持ってロックバンドなどをやっていること自体が、不良と呼ばれる行為であったと聞く。今日はそんな彼のルーツを辿る、原点回帰ライブなのだ、いうことが伝わってくる。曲は続いてSLADEの『GUDBUY T'JANE』、『MAMA WEER ALL CRAZEE NOW』と軽快にキメた後、MCへ。
 ライブのあった2003年3月17日は、結成40周年を迎えたローリング・ストーンズの来日公演が東京で行われた翌日で、かなり影響を受けたのだろう。
「日本武道館、横浜アリーナ、東京ドームとストーンズの追っかけをしてしまいました。まさか3回も行くとは思わなかった。(アルフィーのライブに何回も足を運ぶ)ファンのみんなの気持ちがよくわかりました。キースがステージから投げたピックが偶然、顔に飛んできてゲットできたのが嬉しい。またまた、みんなの気持ちがよくわかった。今日は(ピックを)いっぱい投げるぞ」と語ったのは、単なるオーディエンスの煽りだけではないように思う。
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